パテ・シュール・パテの挑戦

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この「受胎告知」を描くにあたっては、いろいろ訳もあったのだけれど、パテ・シュール・パテをやると決めたからにはやれる事はやってみようと、わたしにとってはかなり飛躍した挑戦だった。

本来は素焼きの素地の上に粘土で塗り重ねていく技なのだけれど、それを上絵の技術としてエナメルでやってみようというもの。

イングレーズもそれなりに扱えるようになってきたのだし、それを使って本格的な絵を描き始めてもいいのではないだろうかと、それならこれまで考えていた事をここに入れてみようかと、イギリスで見てきた事をかなり入れ込んだ。

 

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これは、ストーク・オン・トレントの陶磁器博物館にあったエナメル画である。

棚に平置きで置いてあったため、画像が横にひずんでいる。

これを見た時、しばらくそこから動けなかった。

ここまで出来るのか。

 

この微妙な陰影と空気感に少しでも近づけるようにと、ずっと見ていたのだけれど、なかなか難しい。

これを描けるようになるまでには、また更に画材を研究しなければならないと、今回描いてみて様々な問題点が挙がって来た。

グレーズ感、とでも言うのか、この半透明でつるつるした感じを出すには、いろいろな改良をしなければならない。

エナメルはざらざらしていて、粘着性の強い素材である。

今回これを削ってみて分かったのだけれど、思いの他粘って硬い。

その点素材としてはとてもいいものだと思うのだけれど、何せ描きにくい。

短期間で様々な実験をする時間がなかったので、今回はエナメルのみで描いたのだけれど、これを更に描きやすく透明感を出す課題をこれから進めていく。

苦労したのは、中間色。

白いところは勝手に白くなっていくのだけれど、全くの闇でもなく、また明るくもない場所を描くのが難しい。

白黒逆に描くというのは、こんなに難しいのかと少し辟易した。

絵の具なら未だしもこのエナメルという何とも筆に馴染まない素材で。

エナメルと白黒逆。これに翻弄された制作だった。

まだまだこの試行錯誤は続く。

 

模倣に模写。

これらを組み合わせて新しいものを作る。

伝統的な表現を学び、それらを更に昇華させていく事も、芸術の目的のひとつである。